ちょっと立ち止まって、道路や川のことを考えてみませんか?
散歩をするとき、学校に向かうとき、仕事に行くとき。
私たちが何気なく目にしている道路や川。あまりに身近な存在で、その大切さを意識する機会は少ないかもしれません。
しかし、通学や通勤、買い物の行き帰り、そして救急車や消防車の通行など、道路は私たちの暮らしに欠かせない大切な生活インフラです。
川もまた、地上に降った雨水を安全に海まで流すなど、重要な役割を果たしています。
こうした道路や川は、自然のままに存在しているわけではありません。
道路は車の重さによって日々少しずつ劣化し、雑草が生い茂り、ごみも溜まっていきます。
川には土砂が堆積し、水の流れによって岸が削られます。
私たちの身近にある道路や河川は、誰かが日々清掃や整備をして、みんなが安心して生活できるよう守られています。
市では、アスファルトのひび割れの修繕や倒木の撤去などの市営道路の維持管理に年間約9千万円、浚渫(※)などの市営河川の維持に年間約1千万円、年間を通して約1億円を使い、私たちの暮らしの安全を支えています。
(※)水底に堆積した土砂や雑草を掘り取り、水深を確保する工事
みんなで支える、きれいで安全な道路と河川
うきは市では、約100年以上前から各自治協議会を中心に「道路河川愛護」と呼ばれる市民による清掃活動が続けられています。
道路河川愛護とは、地域のみんなで協力し、道路や河川の美化・清掃に取り組み、きれいで安全な状態を保つ活動です。
交差点付近の道路に雑草が生い茂ると視界が悪くなり、交通事故につながる恐れがあります。
また、側溝に落ち葉やごみが溜まると排水が滞り、大雨の際に道路が冠水する可能性もあります。川に土砂が堆積したままになると、洪水の危険性が高まります。
道路河川愛護の活動は、こうした危険を未然に防ぎ、私たちの安全な暮らしを支えてくれています。
また、市でもこの活動を支援するため、清掃用具の貸出などを行っています。
未来のまちのために、今の私たちができること
道路河川愛護を続けていくことで、生活に欠かせない道路や河川は、これからもきれいで安全な状態を保つことができます。
道路や河川は、今を生きる私たちだけのものではありません。未来のまちへと受け継いでいく、みんなの大切な共有財産です。
みんなで私たちのまちを守っていきましょう。
受け継がれてきた道路河川愛護のこれから
「掃除が終わった後、公民館にみんなで集まって、お茶を飲みながらお互いを労っておしゃべりをする時間が好きでね。
たくさんの人が集まる機会はそう多くないので、これも私の楽しみのひとつですね。だから道路河川愛護の日を楽しみにしています」
と笑顔で話すのは、御幸自治協議会の会長を務める物部さん。
道路河川愛護の現状や活動に対する思いを聞きました。
「こどもの頃から家族が道路河川愛護に参加している姿を見てきたので、小学生くらいの頃には道路河川愛護の活動を知っていましたね。
自然と自分も参加するものだと思い、このまちに住むひとりとしてずっと参加しています。
最近は、市民の高齢化に伴って、道路河川愛護に参加している方も高齢化してきており、また、参加者も少なくなって掃除が大変になっている印象です。
特に大変なのは川の掃除ですね。川に降りて、スコップで重たい土や雑草を地上に掻き出す作業は高齢者には厳しく、怪我のおそれもあります。
山間部では、平野部よりも高齢化率が高いうえに住民が少ないため、少ない人数で広い範囲を作業しなければならず、1回の道路河川愛護に数日間かかっている地域もあると聞きました。
道路河川愛護への参加は、掃除でまちをきれいにすることだけでなく、近所の方とのつながりを作る役割もあると思っています。
顔見知りになることで、災害が起きた時に声をかけやすかったり、困った時に助け合ったり、安心できる関係を作ることができます。
道路河川愛護でできたつながりは、災害時の共助にもつながっていくと信じています。
みんながうきは市に住むひとりとして、全世代で一緒にきれいなまちをつくっていくことが大切なことではないでしょうか。
長い歴史を持つこの道路河川愛護の活動がこれからもずっと続いていくと嬉しいですね」
小さな手がつなぐ、きれいなまちの未来
「こどもたちも、友だちと一緒にごみを拾って、楽しそうに道路河川愛護に参加してくれています」と話すのは地域委員を務める有吉さん。
「今の土地に家を建てて引っ越してきた2年前から道路河川愛護の活動に参加しています。
私は市外の出身で、うきは市に住んでから道路河川愛護の活動を知りました。
わたしもこどもも家族も、うきは市に住むひとりとして、時には仕事を休んで道路河川愛護に参加しています。
うきは市の道路河川愛護には、こども会として地域のこどもたちが参加してくれるところが良い取組だなと感じています。
私が住んでいる地域では、毎回約30人のこどもたちが参加してくれています。
ごみを拾ってまちをきれいにすることで、ごみを捨ててはいけないという意識がこどもたちに自然と身についてくれると嬉しいですね。
また、こどもたちが参加することで、近所の方にこどもたちの顔を覚えてもらえます。
わたしのこどもも含め、多くのこどもたちは歩いて学校に通っています。
登下校の道に知っている方がいてくれると思うと安心できるし、心強いですね。
道路河川愛護の活動に参加することは、掃除をすることだけでなく、周りの方とのつながりが広がる場にもなっていると思います。
道路河川愛護の活動に参加することは決して楽なことではありませんが、
まちをきれいに保ち、こどもや大人が安全に生活するために、このまちに住んでいる私たちがやらなければならないことだと感じています」
広報うきは2026年3月号(第453号)