水質検査地点図 
水質検査結果項目図  図表4-33 水質検査結果(水道水水質基準項目)概要
[おいしい水の要件] 地下水・湧水がおいしい水であるかどうかを確認するため、おいしい水の要件(計7項目:おいしい水研究会指定)の水質検査を実施しました。この結果、ほとんどの地点で、おいしい水の条件を満たしていることが証明されました。
図表4-36 水質検査項目(おいしい水の要件)・水質検査結果概要
※おいしい水研究会とは 「おいしい水研究会」は、日本の水道水のおいしさの現状とその背景などについて調査を行うとともに、おいしい水の水質要件などを検討するため、昭和59年に厚生省(当時)が設立しました。大学教授、水道関係者などの専門家や、各界の著名人がメンバーとして参加していました。
[様々なミネラル分を含む、うきはの地下水] 地下水の中にフルーツ栽培に必要なミネラル分を含んでいるかを確認するため、植物必須元素のミネラル分計12項目の水質検査を行いました。なお、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム以外の微量元素については通常の水質検査の分析精度より高い精度にて分析を実施したものです。 この結果から、リン、鉄、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、コバルト、ほう素のいずれかについて検出できない地点があったものの、概ね各種のミネラル分を含んでいることが確認され、うきはの地下水は、フルーツ栽培に必要な様々なミネラル分を含む水であることが証明されました。
(2)うきは市農的水循環環境調査結果より
[地下水の年齢について] 地下水に含まれる溶存ガスの分析を行うことで地下水の年齢を推定しました。その結果、うきは市の平野部の地下水は約20~35年前に涵養された水であり、山間部の地下水は、約50年前に涵養された水であることが証明されました。
[地下水の流れについて] 地下水の流れの方向と季節的な水位変化を把握するために測水調査を実施することで、うきはの地下水は北西及び西側方向に流れており、夏の地下水位は冬に比べて高いことを証明されました。 [水質調査の実施] 水質調査(主成分イオン分析)を実施することで、市の北西及び西側へ行くほど、地下水に含まれるイオン成分は多くなり、そのミネラルバランスは市販ミネラルウォーターや名水百選と同じであることが証明されました。
 4.調査結果まとめ うきはの地下水は多くの日本名水百選や市販のミネラルウォーターと同様のアルカリ土類炭酸塩です。阿蘇の火山灰層を挟んだ帯水層により、不純物がろ過され、岩石がもつミネラル分を含んだおいしい水といえます。カルシウム、カリウム、シリカが味の決め手ですが、うきはの地下水はシリカを多く含むのが特徴的です。地下水の滞留時間が長くなるとシリカが多くなるので、うきはならではの水の特徴とも言えます。 また、うきはの地下水は、厚生省(現厚生労働省)のおいしい水研究会が定めた「おいしい水の要件」や、橋本教授(大阪大学)らが提唱したおいしい水の評価指標を健康な水の評価指標それぞれの基準を満たすおいしい水と言えます。 一般的には、おいしい水の条件として、「硬度」と「pH」が特に大切だとされています。水は大きく分けて「軟水と硬水」の2種類に分類されますが、うきはの地下水はほぼ全て軟水に分類されます。私たちがおいしいと無意識に感じる水は「口当たりが柔らかい軟水」であり、硬度が低い軟水はほのかな甘みを感じやすいと言えます。 「pH」については、水のおいしさは6.7(弱酸性)~7(中性)が適していると言われていますが、弱アルカリ性の水の方が長く飲み続けるには、健康のためには良いと言われています。うきはの地下水の「pH」は、ほぼ中性に近い、弱酸性から弱アルカリ性に分類されるおいしい水です。
5.飲用井戸の衛生管理について うきは市は地下水に恵まれたまちですが、飲用できる水質基準を超える地域や水量の乏しい地域も存在しています。また、地下水は、有害物質の地下浸透や井戸等の管理が不十分なことにより汚染されるおそれがあります。清潔で完全な水は、私たちの生活に欠くことができないものです。飲用井戸の衛生確保は、原則として設置者の自己責任となりますので、次のような点に気を付けて、自ら適正な管理に努めてください。
・井戸やその周辺に、みだりに人や動物が入らないようにしましょう。 ・井戸やその周辺の点検を定期的に行って、清潔の保持に努めましょう。 ・定期的に水質検査を実施しましょう。
|