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生物多様性について

最終更新日:
 うきは市は、平坦地、山麓地、中山間地、扇状地が広がる地形の起伏に富んだ自然豊かなまちであり様々な生きものが存在しています。その生きものに関係する「生物多様性」というワードがあります。近年「生物多様性」について全世界で危機的状況化にあり深刻な地球環境問題となっています。
 「生物多様性」とは何なのか。また私たちの生活にどのような関わりがあるのか、一人ひとりが知っておくべきことが重要です。

(1)生物多様性とは

 地球上の様々な自然環境の中で、個性豊かな生きもの(動物・植物・昆虫等)が互いに直接又は間接的につながりあっていることを「生物多様性」といいます。この生きものたちのつながりにより、地球では豊かな生態系が保たれています。


【3つの多様性】

 生物多様性には分類として3つの多様性があります。

3つの多様性
 生態系の多様性
 山・川・海など多くの自然環境があること。
 種の多様性
 動物・植物・昆虫・微生物等様々な生きものがいること。
 遺伝子の多様性
 同じ種であっても、遺伝子によって、色、形、生態等に個性があること。

 

(2)生物多様性からの恵み


「子ども環境白書2016」より


 生物多様性により、地球上の生態系が成り立ち、自然環境が保たれ、私たち人間もたくさんの恵みを受けながら生活することができています。





【4つのサービス】

 私たちが生物多様性から受けている恵みは「生態系サービス」と言われており分類として4つのサービスがあります。

4つのサービス
 基盤サービス
 生態系サービスを支える基盤となるものを指します。
 調整サービス
 例えば森林があることによって気候変動や洪水等の緩和、水の浄化など、環境を制御または調整していることが言えます。
 供給サービス
 食料、燃料、木材、薬品、繊維(衣類)など私たち人間の生活に重要な資源を生態系から得ることができています。
 文化的サービス
 私たち人間は自然や生きものにふれることで、様々な知識や技術、豊かな感性や創造性をつちかうことができました。そこから、科学、教育、芸術、レクリエーションなどの源泉となり、多様な文化を生み出すことができています。

 

(3)生物多様性の危機


「子ども環境白書2016」より

 近年、地球上の種(動物、植物、昆虫、微生物等)が1年間に約4万種絶滅していると言われています。それにともないこれまで形成してきた生物多様性が失われつつあり、先々私たち人間の存亡の機に直面することになります。これには人間の活動が深く影響しています。








【4つの危機】
 生物多様性条約及び生物多様性基本法に基づく、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国の基本的な計画(生物多様性国家戦略)のなかで、生物多様性が直面している問題について、私たち人間がもたらしている生物多様性への危機を4つに分類しています。

4つの危機
 第1の危機 開発行為や乱獲による生態系の破壊、種の減少・絶滅。
 第2の危機 里地里山の手入れ不足など、人間の働きかけの減少による自然の質の低下。
 第3の危機 外来種や化学物質などの持ち込みによる生態系のかく乱。
 第4の危機 温暖化など地球環境の変化による生息環境の悪化、生きものの絶滅危機。

 

(4)生物多様性を守るために

 豊かな暮らしを支えている生物多様性を守っていくため、私たち一人ひとりができることはたくさんあります。まずは日々の生活を見直して、できることから始めてみましょう。
 「国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)」が提唱している「MY行動宣言」、地球の生物の多様性を守っていくために一人ひとりができることから環境保全を意識して活動していこう、という5つの行動宣言があります。

私たちにできること
たべよう 地元でとれたものを食べ、旬のものを味わいます。
ふれよう 生の自然を体験し、動物園・植物園などを訪ね、自然や生きものにふれます。
 つたえよう 自然の素晴らしさや季節の移ろいを感じて、写真や絵、文章などで伝えます。
 まもろう 生きものや自然、人や文化との「つながり」を守るため、地域や全国の活動に参加します。
 えらぼう エコマークなどが付いた環境に優しい商品を選んで買います。

 

「子ども環境白書2016」より



(5)市内における生物多様性に関連する取組み




うきはSDGsとテロワール





森林セラピー




小塩ホタルの里



小塩のホタル


水辺の生きもの探検

ボランティア植樹祭

つづら棚田オーナー



・「うきはテロワール」と生物多様性 

 うきは市ではその独自の自然環境を「うきはテロワール」と提唱しており、生物多様性とも深く関わっています。市ではこの生物多様性を重要な地域資源と位置付け、持続可能な利用に向けた取組みを推進しています。



・うきは森林セラピー

全国各地の森を活用して、心と体の健康づくりや疾病予防をする取り組みとして生まれたのが「森林セラピー」です。平成20年に市内の森林が持つリラックス効果が実証され、北部九州で初めて森林セラピー基地として認定されました。



・小塩地区「生物多様性保全上重要な里地里山」

 小塩自治協議会、小塩ほたるの里協議会を中心に地域をあげた生態系保全の取組みをしており、水生生物を中心とした貴重な生態系が維持されています。その他にも自然環境の整備により健全な森林景観を守り続けています。とても重要な地域として環境省より「生物多様性保全上重要な里地里山」の認定を受けています。

・小塩ホタル祭り

 毎年5月下旬から6月初旬のホタルが舞う時期にホタルの里小塩地区では、小塩ホタル祭りが行われます。夕暮れ時には沿道におかれたホタル灯籠に誘われ、小塩川に群れるホタルの乱舞に歓声があがります。


・水辺の生きもの探検イベント
 県や地元の方々と連携し、小塩地区や吉井地区で生物多様性の保全活動、水辺の生きものとふれあいながら、生物多様性について学ぶことができます。



・植樹ボランティア
 山間部にて地域住民や市外都市住民の参加者の方々と植樹活動(ボランティア)を行っています。




・つづら棚田オーナー
 うきは市の葛篭(つづら)地区では、日本棚田百選「つづら棚田」において棚田オーナー制度を実施しています。恵まれた大自然の中で、家族や友人といっしょに農作業を体験できます。




・道路河川愛護
 地域住民による地域の道路、水路、河川等の清掃活動が年2回行われています。

筑後川、矢部川河川美化「ノーポイ」運動
 河川美化、愛護運動の一環として昭和61年度から筑後川、矢部川沿の自治体と国土交通省が一体となって推進している運動で毎年10月に開催しています。

 その他にも様々な取組みがあります。

(6)SDGs(持続可能な開発目標)

SDGsとは、平成27年9月の国連サミットで採択された、持続可能な世界を実現するための2016~2030年の世界目標で、地球上の誰一人として取り残さないための17の個別目標が定められており、生物多様性の保全も深く関連しています。


SDGs

(7)関連する外部リンク

 環境省ホームページ(自然環境・生物多様性)

https://www.env.go.jp/nature/index.html


 福岡県ホームページ(自然・生物多様性)

 生物多様性自治体ネットワーク(平成24年うきは市加入)


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